設立趣旨

未曾有の被害をもたらした東日本大震災で、我々日本人のみならず世界中の多くの人々が改めて命の大切さを痛感させられました。被災地には、DMAT (Disaster Medical Assistance Team 災害派遣医療チーム)をはじめ、国の内外から様々な医療関係者が駆け付け救急救命に当たりました。このような昨今のヒト、モノ、情報の流動化に目を向ければ、グローバル化が加速する社会に於いて、命を支える医療のグローバル化も喫緊の課題です。企業や教育現場では「グローバルな人材育成」という言葉を使用する機会が多くなりました。すなわち、次世代を担う日本の医療従事者には、ヒューマニティとホスピタリティに基づいた貢献力と共に、豊かな専門知識のみならず語学のコミュニケーション能力も身につけ、グローバルな環境で真の国際人として活躍することが期待されています。

 近年では、政府によるグローバル人材育成に向けた様々な政策をはじめ、産官学上げてこの動きが活発化しています。従って、保健・医療・福祉の分野に於いても、「高度専門職業人として活躍できる人材の育成」及び「国際社会に貢献しうる人材の育成」が重要な教育目標として推進されています。医学医療教育のグローバル化、医療ツーリズムの受け入れや医療の国際認証であるJCI (Joint Commission International) 取得等を試みる医療機関も増加の傾向にあります。また諸外国からの患者の流動化のみならず、EPA (Economic Partnership Agreement 経済連携協定) 枠による保健医療介護福祉にかかわる外国人医療従事者も現場に入るようになりました。たとえ、EPA外国人医療従事者の日本語が流暢であったとしても、英語でも意思疎通が出来れば更に円滑な交流が深まることが期待出来ます。英語は「世界共通語 international common language」として、医療現場でもツールとなり得るはずです。

 以上のような観点から、多職種医療従事者の方々、また高い目的意識を持った意欲的な学習者に対して、利便性を最大限に配慮した医療英語英会話学習の場を提供し支援致します。また、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定を踏まえ、訪日される外国人の方々に対する日本についての紹介や近隣の案内等、医療関連のみならずの日常生活における様々なニーズにも対応可能な通訳ボランティアの学習支援の場も提供致します。

 特定非営利活動法人に認証されましたことを契機に、グローバルな視点で医療に繋がる幅広い活動拠点を確立するとともに、更なる社会貢献ができるよう真摯に取り組んでまいる所存です。

 私たちの趣旨に是非ご賛同いただき、ご理解・ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。


特定非営利活動法人 医療英語学習支援協会

(NPO法人MELSA ) 代表理事 大森 厚子